特集1 : 民泊の現状と展望 特集2 : これからの都市農地・農業

特集1 : 民泊の現状と展望 外国人観光客の急増、空き家・空き室の増加、シェアリングエコノミーの進展などを背景に、急速な広がりを見せた「民泊」だが、「違法民泊」の存在が問題となってきた。そうしたなか、違法民泊を適正な民泊へと導き、健全な民泊の普及を図るべく、2018年6月に「住宅宿泊事業法」が施行された。
法施行から1年余、民泊をめぐる状況はどのように推移してきたのか、施行前と比べてどう変化したのか。また「民泊」という存在は、地域やコミュニティにいかなる影響を及ぼし、都市やまちの姿をどう変えうるだろうか。民泊の現状をさまざまな視点から捉えるとともに、今後の民泊の向かう先を展望したい。

特集2 : これからの都市農地・農業  都市農業は、新鮮な農作物の供給や良好な景観の形成、防災空間の確保や農業体験の場に至るまで、多様な機能を果たしてきた。近年は、特定生産緑地制度や田園住居地域の導入など、都市農業の安定的な継続や良好な都市環境の形成がよりいっそう目指されている。
 こうした改革によって、都市農地の減少を防ぎ、都市農業を発展させる条件が十分に整備されたといえるのだろうか。土地利用計画制度の変遷をふまえながら、改革の動向と今後の見通しを確認し、新たな取り組みの有効性や都市農業振興地方計画、農地転用の許可権限の移譲等による土地利用の変容、担い手の確保について論じる。

「都市と農村の結婚」を国立市で実現――東京アグリツーリズムと田園都市構想小野 淳(株)農天気代表・NPO法人くにたち農園の会理事長

民泊をめぐる国・自治体の動きと今後の課題高坂 晶子(株)日本総合研究所調査部主任研究員

民泊ビジネスの課題と観光・地域振興に向けた新たな可能性東 徹立教大学観光学部教授

魅力ある街に、魅力ある民泊を――京都市の動向を踏まえて宗田 好史京都府立大学生命環境学部教授

民泊のもたらす周辺環境への影響樋野 公宏東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻准教授

住宅宿泊事業法への自治体対応――千代田区を例にして北村 喜宣上智大学教授

都市農地と都市農業をめぐる土地利用計画制度の変遷柴田 祐熊本県立大学環境共生学部教授

都市農地の保全活用に関する新たな法制度の有効性と今後の課題――都市の『農』が都市を熟成する水口 俊典芝浦工業大学名誉教授、「生産緑地研究会」座長

都市農業振興地方計画策定の現状と課題佐藤 啓二一般財団法人都市農地活用支援センター常務理事・統括研究員

都市や農地をめぐる土地利用規制の最近の動向――地方分権化と規制緩和北原 鉄也関西学院大学総合政策学部教授

都市農地存続の鍵を握る担い手の育成・確保安藤 光義東京大学大学院農学生命科学研究科教授

英国自治体再編(ユニタリー化)に関する司法的救済の課題和田 武士後藤・安田記念東京都市研究所研究員

谷本有美子著『「地方自治の責任部局」の研究』川手 摂後藤・安田記念東京都市研究所主任研究員

その他新刊紹介 『武器としての世論調査』/『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』/『トイレがつくるユニバーサルなまち』